竹刀について
刀は武士の魂。竹刀は稽古前後に点検ししっかりお手入れしましょう
竹刀各部の名称
竹刀の各部の呼び方は、部位をさす場合と部品をさす場合で同じ場所でも変わることがありますのでご注意ください。
お手入れの道具
あると便利な道具ですが、なくてもなんとかなるものあります
左から
竹刀の分解方法
1.中結いをほどく
縛ってある部分をすべてほどき、巻き付けている部分もほどきます。この時に”くじり”があると便利です。
2.弦をほどく
柄皮の皮ひもに弦が縛り付けてあるので、ほどいて外します。弦の端は大抵の場合は挟んであるだけです【!柄皮から皮ひもを外さないように注意】。この時も”くじり”があると便利です。
3.先皮をはずす
先皮に弦がついたままの状態で先皮を外します【!弦を先皮から外さないように注意】。先皮の中には竹刀がつぶれるのを防止するゴム(芯)が入っているのでこれも外します(もし竹についていなければ先皮の中に入っているので確認してください)。
ここまで分解すれば手入れするのに問題ありません。(竹の交換等は場合は柄皮を外す必要がありますがそれはまた別の機会に)
竹の整復の仕方
小刀を使ってささくれた部分を削ります。削るときは柄側から剣先に向かって削ります【!逆方向で削ると刃が深く入り込み削りすぎることがある】。
ささくれ部を小刀で削った後は紙やすりで表面をなだらかに整えます。
ささくれの具合を確認する場合は竹の繊維に対して直角方向で確認してください(竹の繊維に沿って指を動かすとささくれが指に刺さります)
最後に油を塗り、余分な油は拭き取っておきます
竹刀の組み方
1.先革を取り付ける
先革を竹刀に被せます。その際、ゴムを忘れないようにすること。【!弦を図のように引っ張って被せること。弦の輪っかの中に竹を通してしまわないこと】
また、図のように柄革についている革紐(弦を縛る部分)と先革の弦がついている方向を合わせておくこと
2.弦をしばる
①②柄革についている革紐の輪っかを通します(写真はW柄のため二つありますが、一つのものもある)
③弦の途中に付けられている小物(弦で輪っかを作っている場合もあり)に通します
④⑤柄革についている革紐の根本?をくぐらせて通します
⑥弦をしっかり引っ張り【!ピーンと音がするくらい】
⑦上方へ折り返して親指で押さえます
⑧革紐をくくるように弦を革紐と竹の間に通します
⑨⑩弦をくぐらせて一回しばりをします(しばらない方法もありますが、しばったほうがかっちり決まる気がします)
⑪⑫革紐をぐるぐる巻きにします(写真のように弦と竹の間に何かはさむとやりやすい)
⑬最後に弦の端を革紐の間に通すなり巻き付けた弦に挟むなどして押さえます
3.中結いのしばり方
中結いをしばる位置は柄から剣先までのおおよそ1/3(竹刀全体の1/4)です
①位置を決めたら竹に巻き付けます
②3回巻き付けたら【!弦の上から巻き付ける】次のステップです
③弦の下をくぐらせます【!向きに注意。折り返す方向にくぐらせる】
④⑤くぐらせた中結いの下を通します【!くぐらせる場所に注意】
⑥元の方向に引っ張ります【!弦に一周巻き付ける要領】
⑦3周巻き付けた中結いの下で同様に弦の下を通します【!③と同じ要領】
⑧上からおろしてきた中結いの下を通します【!④⑤と同じ要領】
⑩⑪⑫同様の要領で上2回、下2回ほどしばります【!最後はラジオペンチがあるとしっかり結べる】
⑬余った中結いはハサミで切ります
完成です
小技紹介
【1】中結いをしばるときの小技
弦を通している先の端を斜めにカットしておきます
3周巻き付けた後のしばる部分の幅を1/3ほどカットします
中結いの縛った部分がすっきりした印象になります
【2】弦のしばり方の小技
W柄限定ですが、
小物に通した後、柄の部分まで戻さず、上で折り返します。
その後、弦に巻き付けてしばります
人と少し違った仕組みにしたい方へ。(竹刀の銘も隠れずに見せることができます)
【3】鍔の小技
鍔の外周をやすりで多角形に削ります。
竹刀を置いたときに転がっていかずおさまりがよくなります。